兄弟げんかはありがたい
- 2015.09.30 Wednesday
- 01:21
飼い主がカメラを向ければ必ず視線を向けるのに、今夜はそっぽを向いているおっさん。
シマシマがあられもない恰好をしているので目を背けているのか?
いや、そうでもなさそうです。
おっさんが見つめているのは……、
チビ助です。
目をうるませ、しっぽを埋没させているチビ。
それには理由があります。
この1時間ほど前、おっさんに激しく叱られてしまったのです。
どのおもちゃで遊ぼうか、おっさんはおもちゃ箱に顔を突っ込んで漁っていました。
そこへ、チビ助が脳天気に割り込んできたので、楽しいひとときを邪魔されたことにブチ切れたおっさんが、今まで見たことがないほど激烈に吠えながらチビを押さえ込んだのです。
その剣幕は凄まじく、突然の出来事でびっくり仰天したチビ助は失禁し、キャンキャン泣きながら自分の部屋に閉じこもってしまいました。
脚を引きずっていたので、
「もしや怪我させられた!?」
とヒヤリとしましたが、よく見ると、なんと腰を抜かしているではないですか……。
30分経って、ようやく部屋から出てきましたが、まだ怖いらしくしっぽを巻いたままになっています。
シマシマ「どうしたのチビちゃん。しっぽがないけど切り取っちゃったの?」
チビ助「今のボクは受け答えできる心の余裕がないの。ほっといて……」
不安らしく、飼い主の足に体をくっつけて眠るチビ助。
でも、ショックを受けたのはチビだけではないようです。
「僕はどうかしてたんです……」
と、呆然とした表情のおっさん。
そして、なぜか土下座をしている姐さん。
家じゅうに気まずい空気を漂わせた下僕の不祥事に対し、女王なりに道義的責任を感じているのでしょうか。
でもね、おっさん。母さんは勝手ながらありがたいなーと思ったの。
初めて激怒する君を目の当たりにして、母さんもかなり動揺してしまったよ。
チビ助を怯えさせた君を叱りそうになったよ。
でも、おっさんなりのやり方で共同体のルールをチビ助に教えてくれたんだよね。
そんなおっさんの立場をなくしてはいけない。
と同時に、ショックを受けたチビ助もなぐさめなければいけない。
なので、ふたりを抱き寄せて、交互に撫でながら「がんばったね、がんばったね」と励ましたんだけど、子どものいない私が、こうして家族の気持ちを慮る機会を与えられたのは、なんてありがたいことだろう、と。
まあ、一晩寝ればケロッと仲直りするでしょう。